この記事はこんな方におすすめ!
本当に温泉に入ると健康にいいの?
どんな温泉を選べばいいの?
「温泉」と聞くと、「リラックス」や「旅行」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
実は、「温泉」は単なる癒やしの場ではなく、健康に良いとされる様々な効果を持っているんです。
この記事では温泉の定義・効果・選び方について徹底解説します。
2025年最新版の情報をもとに、健康に良いとされる「療養泉」やおすすめの温泉地についても紹介します!
温泉をもっと楽しみ、上手に活用するためのヒントをお届けしますので、
温泉好きの方も、これから温泉旅行を計画している方も、ぜひ最後まで読んでみてください!
【温泉の定義」お風呂との違いとは?
皆さんは「温泉」と「お風呂」の違いを正しく理解していますか?
温泉は環境省の温泉法に基づき、以下の2つの条件のどちらかを満たしたものです。
温泉の定義(温泉法)
①泉源の水温が25℃以上
②1kgの水中に特定の成分を1つ以上含む
(例)溶存物質総量1,000kg以上、遊離炭酸250mg以上 など(計19種類の成分)
では、お風呂とはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
温泉 | お風呂 | |
---|---|---|
定義 | 地中から湧出する温水・鉱水など | 人工的に湧かしたお湯 |
温度基準 | 25℃以上(または特定成分を含む) | 特になし |
効能 | 成分や温熱効果による健康作用 | 温熱・リラックス効果 |
水質 | 天然成分が含まれる場合が多い | 一般的な水道水 |
・温泉=天然の湯、お風呂=人工的に湧かしたお湯
・成分がなくても温度が25℃以上であれば温泉と認められる
温泉が健康に良いと呼ばれる理由は?

「温泉は健康に良い」という話はよく耳にしますよね?
「温泉は健康に良い」と言われる理由は、「温泉の成分+入浴の効果」にあります。
特に、入浴すること自体に健康への良い影響があります。
入浴で得られる7つの健康作用
作用 | 内容 |
---|---|
温熱作用 | 入浴により体温が上がり、基礎代謝・免疫機能が向上すると考えられる。 40℃のお湯に10分〜15分程度入浴することによって、体温は1℃上昇する。 |
静水圧作用 | 水圧で血液循環を促進すると考えられる。 |
浮力作用 | 首まで浸かると体重が約10分の1となり、関節や筋肉の負担が減少し、リラックスしやすい状態になると考えられる。 |
清浄作用 | 皮膚の汚れやウイルスを洗い流し、風邪予防に役立つと考えられる。 |
蒸気・香り作用 | 鼻や喉の粘膜が潤うことによって、免疫力効果があると考えられる。香りの作用によってリラックス効果もあると考えられる。 |
粘性・抵抗性作用 | 水の抵抗で運動効果が高まり、少ない負荷で健康維持に好影響を与えると考えられる。 |
解放・密室作用 | 密室・かつ衣服を着用しない特殊な環境によりリラックス効果があると考えられる。 |
温熱作用
40℃前後のお湯に10分〜15分程度浸かると、体温が約1℃上昇するといわれています。
お湯の温熱によって、皮膚近くを流れる血液が温められ、その温まった血液が全身を巡ることで体温が上昇します。
この体温変化が以下のような健康への良い影響をもたらすと考えられています。
基礎代謝の向上…体のエネルギー消費が活発になり、太りにくい体質をサポート
体内酵素の活性化…免疫力が整い、疲労回復が促される
血液循環の改善…酸素・栄養所の運搬がスムーズになり、老廃物の排出を助ける。
また、体温が上昇すると心拍数も上昇し、血流がさらに促進されます。
血液は酸素や栄養素、水分、ホルモンなどを全身の細胞へ届ける役割を持つため、血液循環が良くなることで健康維持にもつながると考えられています。
静水圧作用
お湯に浸かると、水圧の影響で全身が適度に圧迫されるため、マッサージに似たような作用が得られるといわれています。
例えば、身長170cm・体重60kgの人が首まで湯船に浸かると、全身には約600kgの水圧がかかる計算になります。
この状態は、無意識のうちに血管やリンパに適度な圧力がかかる状態を作り出していると考えられます。
適度な圧力がかかっている状態から解放されるとき(お湯から出たとき)に血液やリンパの流れが活発になると考えられているのです。
イメージしやすい例
ホースの先を足で踏んで圧力をかけた後、急に離すと勢いよく水が流れ出ることがありますよね?
お風呂の水圧も同じように、体に適度な圧力をかけることで血液やリンパの流れをサポートするとされています。
浮力作用
私たちは普段、重力に逆らって姿勢を維持しています。
しかし、水の中では浮力が働くため、重力の影響が軽減されていると考えられています。
例えば、肩まで湯船に浸かると、体重が約10分の1になるといわれており、筋肉や関節への負担が減少し、自然とリラックスしやすい状態になると考えられます。
ちなみに、シャワーだけでは浮力作用は働かないため、体は重力の影響を受け続けています。
湯船に浸かることでより深いリラックスが得られると考えられていることを、覚えておいてください。
清浄作用
お湯に浸かることで、皮膚や粘膜についた汚れや汗を洗い流す作用が期待できます。
また、水の流れによって微細な汚れが除去されるため、肌を清潔に保つのに役立つとされています。
蒸気・香り作用
お風呂や温泉から立ち上がる蒸気を吸い込むことによって、口や鼻の粘膜が潤うといわれています。
乾燥した環境では粘膜が敏感になりやすいため、蒸気による加湿が快適な状態を維持するのに役立つと考えられています。
また、温泉特有の香りや入浴剤のアロマ成分は、自律神経に働きかけるとされ、リラックス効果が期待できるといわれています。
特に、ヒノキやラベンダーなどの香りはリラックス効果があるとされ、入浴時に活用するとより快適なバスタイムになると思います。
粘性・抵抗性作用
プールで歩いたり走ったりすると、陸上よりも動きにくく感じたことはありませんか?
これは、水の中では「粘性」と「抵抗」が働くため、体の動きに対してより大きな負荷がかかるためです。
例えば、水中では同じ動作でも陸上の数倍の抵抗がかかるとされており、お湯の中での軽い運動でも効率的に全身を動かすことができると考えられています。
特に、温泉やお風呂の中でのストレッチや軽い運動は、無理なく体を動かしたい人におすすめと言われています。
解放・密室作用
お風呂は、衣服を身に着けずに入ることで、心と体が解放される特別な空間です。
この解放感によって、リラックスしやすい環境が整いやすくなるといわれています。
特に、一人で入浴する時間は、外部の刺激から離れ、ゆったりとしたひとときを過ごせるため、心のリフレッシュにもつながると考えられています。
照明を落としてキャンドルを灯したり、アロマを取り入れたりすることで、よりリラックスできる環境を作りやすいといわれています。
以上が入浴によって得られる7つの作用です。続いて、温泉の成分について解説します。
【療養泉とは?】種類・特徴・適応症を解説

温泉の中でも、特に健康効果が期待されるものを「療養泉」と呼びます。
これは1kgの水中に特定成分が一定量以上含まれる温泉のことです。
現在10種類あり、それぞれが「治療の目的に供しうる」とされています。
効果が期待される病状を「適応症」と呼びます。
療養泉の種類・特徴・適応症
泉質 | 特徴 | 主な適応症 |
---|---|---|
単純温泉 | 日本で最も多い。 刺激が少なく万人向け。 | 自律神経不安定症 不眠症 |
塩化物泉 | 単純温泉に次いで多い泉質。 高い保湿効果あると考えられる。 | 冷え性 皮膚乾燥症 |
炭酸水素塩泉 | 美肌効果、角質除去効果が期待できると考えられる。 | 切り傷 冷え性 |
硫酸塩泉 | 血流改善が期待できると考えられる。 | 冷え性 動脈硬化予防 |
二酸化炭素泉 | 血流促進が期待できると考えられる。 ぬる湯でも暖かく感じる特徴あり。 | 自律神経不安定症 |
含鉄泉 | 鉄成分が含まれており、「鉄サビ」による赤褐色が特徴。 肌に刺激あり。 | 酸欠乏性貧血(飲用) |
酸性泉 | 強い殺菌力があると考えられる。 肌に刺激あり。 | アトピー性皮膚炎 皮膚化膿症 |
含よう素泉 | 薬のようなよう素の匂いが特徴。 | 高コレステロール血症(飲用) |
硫黄泉 | 腐った卵の臭いで乳白色の湯色が特徴 血管を拡げる作用があると考えられる。 肌に刺激あり。 | アトピー性皮膚炎 慢性湿疹 |
放射能泉 | 微量の放射能が含まれている。 ※皮膚や呼吸器から吸収されてもすぐに排出されるので心配はいらない。 免疫機能を活性化する「ホルミシス作用」が期待される。 | 高尿酸血症(通風) 関節リウマチ |
日本の療養泉

ではその療養泉はどこにあるのかについて、いくつか代表的な温泉地でご紹介します。
ご自身の目的に合った療養泉を選んで、より良い旅にしてくださいね!
泉質 | 温泉地 |
単純温泉 | 下呂温泉(岐阜県) 由布院温泉(大分県) |
塩化物泉 | 別府温泉(大分県) 有馬温泉(兵庫県) |
炭酸水素塩線 | 別府温泉(大分県) 鳴子温泉(宮城県) |
硫酸塩泉 | 登別温泉(北海道) 玉造温泉(島根県) |
二酸化炭素泉 | 有馬温泉(兵庫県) 湯屋温泉(岐阜県) |
含鉄泉 | 草津温泉(群馬県) 登別温泉(北海道) |
酸性泉 | 蔵王温泉(山形県) 酸ヶ湯温泉(青森県) |
含よう素泉 | たまゆら温泉(宮崎県) 白子温泉(千葉県) |
硫黄泉 | 登別温泉(北海道) 黒川温泉(熊本県) |
放射能泉 | 有馬温泉(兵庫県) 登別温泉(北海道) |
まとめ
この記事のまとめ
・温泉法で定められた下記2つの条件を満たすもの
・泉源の水温が25℃以上 or 一定量の成分を含むもの
温泉の健康効果は「入浴で得られる7つの作用+温泉の成分で得られる
療養泉を知り、目的に合った温泉地を選ぶことをおすすめ!
入浴・温泉に関しての知識を身に着けて、健康的な温泉ライフを楽しんでください!
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